<   2006年 08月 ( 2 )   > この月の画像一覧

羅針盤

 
 羅針盤がぐるぐると回るばかりで一向に正確な方向を指し示さないので今自分の舟がどこに居てどこへ向かおうとしているのかさっぱりわからないまま5年10年が過ぎどこの港にも辿り着かず陸地を踏みしめることもなく必要な物資はすれ違う他の舟から得るのみでここまで来たがここ数カ月どうやら羅針盤が正しい方向を示すことが多くなってきたようでようやく水平線の彼方にある陸地のほんの一部が見えかけてきたのだがそこまで行くためのスタミナ配分が心配だが心配しても始まらないとにかくズンズンと進むこととしようかとばかりに気合いを入れようとしたがよくよく考えてみればがんばるのは舟のエンジンであって私ではないのだから気合いも何もあったものではないがそこはそれ無気力で事にあたるよりは自分のこの四肢でもって舟を動かしているかの如く意識を働かせたほうがいかに鉄やアルミの塊である機械であろうともよい波動と影響を与えるのがよろしかろうと大きく腹式呼吸を一発フンガとかましたところで勢い余って油で溶けたゴム底の靴で甲板で足を滑らせすってんころりと転がり転がり転がるうちに片付けずに置いておいたロープやペンチや三角木馬やその他モロモロの私物借り物強奪品の数々を体に引っ掛けなおもゴロゴロ転がり続け終に私は巨大なボールになり舟から飛び出し大きな波しぶきをあげ海面へ落ちるがなおも回転の止まらぬ私というボールはそのまま海底へと回転しながら沈んでいき深い深い海の底へと落ちていきアルキメデスかパスカルか慣性か何かの法則をまるで無視するかのように止まらぬ回転体となりその回転は海水を少しづつ少しづつ巻き込み巻き込み始めは小さく小さく上の方へ行けば行くほど大きく大きく渦を巻くようになり海底にいる私には水上からの眺めを見られないのが残念であるがおそらくはアリジゴクの巣のような渦潮ができていることであろうとほくそ笑むがしかしなぜ私はこれほど長いこと水の中に居てぐるぐる回っているにも拘らず一向に窒息する気配がないのは何故かと考えてしまった瞬間に鼻から水が気管に入り水の中で思いきりむせてしまい気管どころか肺にまで水が入ってきてこれはいかんと思いきってゴボッと肺に入った水を吐いたらばこれまでの生涯で肺に溜め込んできたタールやゴミやホコリやイトミミズたちの塊が滑らかにノドを刺激しつつ出てきたのでそのボールは海のさらに深いところへと投げ捨ててしまえばあとはすっきり爽快な私がそこに居るのであり私が渦の中心にいることそれ自体は舟で旅をしていた頃と何ら変わることはなくこれでいいのである。


<次回は「ばん」で始まるタイトルですよ>
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by edoya-ex | 2006-08-07 07:07 | シリトリヨタバナシ

唐辛子


e0089712_14312223.jpg 唐辛子は中国産のものしかないのだと思っていたが、ちゃんと日本産のものもあるのだね。よく目にする中国のものと比べて小振りで、少しばかりしっとりしている。水につけたりしなくてもそのまま包丁で輪切りにしていける。これはよい。

 中国産の野菜というものの評判が悪い。衛生状態が悪いとか添加物が多いとか。それをすべて信じるのもどうかとは思うが、安いからと無頓着に中国野菜を買うのもどうか。前にも書いたが、ニンニクなどは中国産と日本国内産では味に歴然とした差がある。あの中国産ニンニク3玉98円、味だけでなく添加物の害もあるとするのなら、後々かかるかもしれない医療費のことを考えれば、やはり日本産の1玉250円のものを買い求めるほうが結局は安上がりということになろう。

 できればこんなことにこだわらずに生きていたいのだが、こういう性格だからしょうがないのだ。



<次回は「し」または「らし」で始まるタイトルですよ>
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by edoya-ex | 2006-08-06 14:34 | シリトリヨタバナシ