林望(はやしのぞむ)氏の著書「テーブルの雲」に、
"クレジットにしろ現金にしろ、いっぺんに三着買って、それでもあまり心の痛みを感じないで「まぁ、いいかな」と思える程度がその人の着こなせる服の範囲である" というくだりがある。 まったくもってその通りであろうと思う。もっともその「まぁ、いいかな」の程度が人それぞれ差もあろうし、礼服などのやや特殊な服はまた事情が違うかなとも思うけれど。さて我が身を振り返る。普段に着ている服についてはやはりそのくらいの金額のものを着ているようだ。下着類にしてもそうだし、靴下なんかはそれこそ、三足組で心の痛まない程度の値のついたものにしているので、まことにわかりやすい。唯一、通勤時に着ているスーツが高すぎる気がする。次に買うときにはせいぜい、紳士服量販店の二万円前後くらいのものでよかろう。三着で六万円前後。それが俺の「まぁ、いいかな」の範囲であろう(現物の生地や縫製の具合を見るとまた考えが変わるかも知れぬが)。 話は変わるが、あなたにとって「大金」とはどれくらいを指すだろう?「まぁ、いいかな」を越える金額と考えてもいい。物によって感じる価値が違うので、これまた一概には言えない。ふだんはCD一枚買うのをためらうような人が突然、ひょいとパソコンを新調してしまったりすることもあるのだ。CDとパソコンとは、お買い物としてのカテゴリーが違うので比べられるものではないけれど。 俺の考える、大きなお買い物レベルではなく日常レベルで考える大金とは、「この金額が財布から消えていくのは、そんなに深刻ではないけどなんだか寂しい気がするからクレジット・カードで払っちゃおかな」というくらいの金額である。それがまあだいたい、表題にある"五千円"ということになるのだが、あなたにとっては如何ほどか? <次回は「えん」で始まるタイトルですよ> Nyancoin Bakery 江都屋へ戻る
by edoya-ex
| 2009-02-09 17:56
| シリトリヨタバナシ
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