習字や算盤のお稽古→心ならずも

 心ならずも、という言いかたは何となく好きだ。不本意、よりは意味合いが柔らかく、当初の見込みとは違う流れになっていくのをどこか許している、そんな雰囲気であろうか。

 先日、床屋さんで髪を切ってもらっている間の話の流れから、切り終わってお金を払ってからも(他に客はいなかった)15分ぐらい話をしていた。いつぞやの記事に書いたように、俺は床屋さんとはもう少しドライな関係でいたいほうなのだが、このときは非常に興味のある話題であったのでついつい、心ならずも、話に乗ってしまったのだ(細かい内容についてはその床屋さんの個人的事情もあるのでここには書かないが)。

 話の中で床屋さんが言う。イギリスだったかフランスだったかの人々はバカンスのために働くのだ、しかし日本人がそういうことを言うといかにも不真面目であるかのようにとられてしまう、だからものすごいストレスを抱えながら働かざるをえない雰囲気があるのだ、と。うむ、なるほど。話の続きを聞きながらしばらく考えて俺が言う。一般に日本人は仕事にせよ趣味にせよそれを「〜道」とすることに美徳を感じるのではないか、そして休みや遊びのために働くというよりは、働くために休む、そういう視点で生きてしまう。そして小金を貯めて立派な家や自動車などを持ち、働いた成果を他者に見せつけることで優位に立ち、少しでも威張ろうとする、これがエコノミック・アニマルの正体である、みたいな話を(実際に交わした言葉とは大分変えてあります。いくら何でもこんなコムヅカしい話し方はできないよ)したわけだ。その他にも、背骨に良い枕の話や朝食を抜いて健康になる話、石けんの話などいろいろと。けっこう楽しく実のある話だった。

 これが「不本意ながら」ではない「心ならずも」のもたらす意外な収穫なのです。

<次回は「も」あるいは「ずも」で始まるタイトル。…「ずも」で始まる言葉なんてあるのかね?>

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by edoya-ex | 2005-10-06 21:44 | シリトリヨタバナシ
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